ルカ・エスポジト それはキミがみた光

先日めちゃ面白名作マンガ『彼方のアストラ』を読み返して、登場人物であるルカ・エスポジト氏への愛が高まり叫びだしたくなったのでこの文章を書いています。

 本当はツイートして満足するはずだったのに140字じゃおさまり切らなかったこの想い。

 

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ルカ・エスポジト氏

 

 そもそも彼方のアストラがどういう作品かっていうと、惑星キャンプに向かった高校生8人と10歳の少女1人が宇宙で遭難し力をあわせて母星へ帰還を目指しながら、何か大きな謎に立ち向かっていく。みたいなSFで、その中でルカ・エスポジトがどんな存在かっていうと、いわゆるコメディリリーフでありトラブルメーカー、みたいな。トラブルメーカーっていっても揉め事や問題を起こすとかって意味ではなくて、好奇心が強く視野が広いことでいらんもの発見してしまったり、逆に重要なものも発見したりしてくれる子だったりして。トラブルメーカーというよりトラブル商社、場を進める役というか、バラエティでいう裏回し的ポジション。つまりそれほどチームで目立つ存在ではありません。

 

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太鼓持ちと化すルカ・エスポジト氏

 

 

 しかしショタコンという病にかかっており、かつ堂々と朗らかに生きている人間を崇拝してしまう陰の者である私は一瞬でルカにフォーリンラブ。オイラという一人称にこそ始め面食らいましたが、小柄で中性的な姿、くるくるかわる表情、深刻な場面を和ますコミカルな性格が可愛いたまらんぞと1巻の時点でルカ最推し。

 

 彼方のアストラでは旅の中で様々な経験を経て、一癖も二癖もあるメンバーが旅の中で救われ、成長し、仲を深めていきます。しかしプライドが高くも、内気でも、一匹狼でもなんでもないルカにはこれといった改心・成長エピソードがやってきません。

 アストラ号のメンバーの多くは家庭環境に問題を抱えています。それぞれに悩みがあります。家族のいない宇宙で、問題自体を解決することはできなくても彼らは旅の中で自立に向けて答えに近づいていくのです。

 ルカも例外ではなく、特殊な家庭環境にあります。なんならアストラ号の中でもかなり特殊な秘密を抱えている子です。にもかかわらず無いのです。ルカの内面にフォーカスを当て、劇的に変化し、救われるようなエピソードは描かれないのです。

 連載を追いかけているときはそれが結構寂しかったりもしたんですが、(連載を追い出したのも終盤からだけど)読み返すたび、私がルカを好きな要因はルカのキュートなフェイスとラブリーな言動以上にそういうところにあるのではないかと感じるようになったんですよね。

 

 エピソードとして『成長』とか『変化』とか『救い』がわかりやすく個別に描かれていない子はルカだけではありません。けれど同じく描かれていないフニちゃんのように幼く思春期を迎えていないわけでも、ザックのように賢く達観しているわけでもない上に、ルカが抱える秘密は特殊なものです。凡庸な作家であれば、この秘密を抱えさせたキャラクターならば作中で悩ませたり、誰かの言葉や行動に救われたりさせると思います。けれどルカにはそのようなエピソードが無い。

ルカは作中で悩みません。ルカは作品開始時点で『悩んだこともあったけど、オイラはオイラ』メンタルが出来上がっているのです。

 

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試練なんて屁でもないルカ・エスポジト氏

 

 いや、そんあことってあるか?????物語のキャラクターなのに人生内の悩みを作中で描写せず進ませず、あ、それ終わった話なんでって????????マジ??????せめて皆に言えなくて悩んでたくらいのアレはあってもよかったのでは????多少秘密にしてる負い目はあったっぽいけど、隠してたわけじゃない、でもオイラはオイラ深刻に考えてないってマジか~~~~~~~~お前がすごい賞一等賞じゃん!!!!!!最強!!!!!大好きになるほかねぇ!!!!!!もうルカはキャラクターとかじゃない。ルカの人生はエンターテイメントじゃない。ルカはルカ。ルカという命。すごい。最初から最後までぶれないルカ。お前を好きになってよかった。でもお前の悩んだ頃のことも知りてぇ。だってお前のことなんでも知りてぇから…。そう思ってしまう私を笑ってくれよルカ…。お前の笑顔が、好きだ…。

 

ルカはルカ自身で答えにたどり着いたんだなってすごく尊敬するしそんな眩しいルカのこと好きにならざるを得ねぇなって思う。けど知りたかったな、教えてくれない強さが好きだけど知りたかったな。葛藤。いつまでもお前のこと考えちゃうよ。

 

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ルカ~~~~~~~~お前はすごい!!

 

ルカは決して主人公であるカナタみたいに超絶前向きでも超絶たくましくもなくて、ビビりだったり凹んだり失言したり失敗したりするんですけど、そこがすごく身近で、でも上述した強さがあってそういうバランス感がルカを好きになってしまうとこなんですよね。眩しい人たちの中でも一歩、こちら側に居てくれる。

 

 例えばルカのメインエピソードであるアリスペード編は、同じくアストラ号メンバーである一匹狼ウルガーの内面にフォーカスする回で、メンタル面に突っ込んだ描写はウルガー中心。じゃあメインエピソードとしてルカが何の役割を担ったか、ウルガーの辛さを解決したのか、っていうと違って、ルカ自身はウルガーの変化のきっかけとなるキャラクターではあるんですけど実質ウルガーを救ったのはカナタの存在が一番大きいんですよ。ウルガーを救ったのカナタの言葉とその腕。

 でもそのカナタの腕が届いたのは、ルカが介してくれたからなんです。ルカが一度掴んだから、カナタの腕が届いたんです。物理的にも、きっと精神的にも。

 

 ルカによるウルガーへの発破は宇宙一かっこよかったし間違いなく彼の心を動かしたけれど、彼を決定的に救うには至らなかった。それから、これは意図したものではないだろうけれど、ルカは命の危機にあってカナタに救われたはずなのにシーンとして描写されなかった。

 ルカは劇的に救われもしないし、劇的に誰かを救いもしない。だからこそルカは自由で、何にでもなれて、誰かの心にすっと馴染むのだと思うのです。

 

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ハイライトすらも自由なルカ・エスポジト氏

 

 強い光キャラって、それこそカナタやアリエスっていう主人公ヒロインが最強ではあるんですけど、この2人はパワー型コミュ強なので私みたいな自尊心だけが肥大化したクソ根暗コミュ障にとってはそういう人たちってときに眩しすぎるから、ルカみたいなテクニカルコミュ強のありがたさったらないよな。わかるよウルガー。

 

 カナタは自身の広い懐に呼びこんでくれる人だとすれば、そのカナタが評していたように、ルカは無遠慮に人の懐に飛び込んでいく子なわけです(大雑把なパワー系のようにみせてこういう視点の鋭さみせてくるカナタもなに?好きです) いや、ずるくない?こっちに来てくれるのずるくない?カナタの懐に飛び込む勇気なんてない私でも、こっちに来られちゃしゃーねーな、ってなるもん。わかるよウルガー。そんで気づいたらカナタの傍にすら連れてかれてんだよルカによって。びっくり。

 

 

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わかるよウルガ~~~~~~~~~~~~~

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私だってルカに飛び込んでもらいてぇよぉ~~~~~~~~~

 

 クラスの隅っこでラノベ読んでたオタクの僕はクラスの中心のカナタに、それ何読んでんだ?面白いのか?って大声で話しかけられたらびっくり死しちゃうけど、ルカにこっそりそれ面白いっすよね~、オイラはこれが好きで~って言われてすぐ心開いちゃって話すようになったらいつの間にかクラスの輪に入れていて普通にカナタの隣で笑えるようになってるって寸法。わかる?ルカにはそういうところがある。

 ちなみにキトリーちゃんはすぐオタクきもっ!って言ってくるけど普通に話しかけてくれるから嬉しい。好き。アリエスちゃんもオタクに理解はないけど優しい。好き。ユンファちゃんとは会話が始まらない。好き。

 

 そういうこと~~~~~~~~つまり私はアストラ号の皆が好きな中でルカが一等好きだし、でもそれは大好きなアストラ号のみんなと繋いでくれるそんな存在であるルカだからこそ好きって面もあり、結局皆好きなんだよなぁ~~~~~~~~~。わかってくれるかウルガー。勿論お前のことも好きだぞ。

 

 

 

 

 まぁ実際の所、内面に寄せたエピソードがないのは、そんなんなくてもルカはルカだからってこともあるけれど彼方のアストラがミステリーの性質を持っているからってのも大きくて、全員が全員内面を描写しすぎると“黒幕”の実態がわかりやすくなってしまうっていうのもあるんでしょうね。実際、連載中はモノローグや過去描写みたいなものが少なかったルカやザックやフニちゃんって疑われ筆頭だったし。

 そこのバランスを変に描写を少なくするではなく、ルカ・エスポジトはずっとルカ・エスポジトであるということで表すのとんでもねーでしょ。

 

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ハンバーグのパン粉、そばのヤマイモ、アストラ号のルカ・エスポジト氏

 

 そんなめちゃすご最高面白マンガ彼方のアストラはもうすぐアニメになるわけですが、もうものすごく楽しみです。ルカが元気に動き回り、溌剌としゃべり、強くたくましく胸を張って生きている姿を見てしまったら泣いてしまうかもしれないね。

 はぁ~~~~~好きだよルカ。アニメでも、未来でも、ルカはルカらしく誰より自由に胸を張って、そして笑っていてくれ。

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え、白く伸びた腕が眩しすぎない?????

 

人の青春を笑うな

 平成がもうすぐ終わる。

 

 平成の頭に生まれた私は、昭和のことを残り香程度にしか知らない。だからか平成の終わりに繰り返されている振り返りの話題で、ときどき昭和との比較が出てくるともやもやとした思いになってしまう。時間は一続きのものだし、評価するには比較術が効果的というのもわかるが、昭和の評価軸で平成を語る必要があるのかと思ってしまうのだ。

 経済だの災害だの具体的な数字で比較するのはわかる。だけど文化や流行、感覚なんてものまで比較する意味が全くわからない。いや、こういう風に変遷したという話で終わればわかる。でも大抵古いコメンテーターなんかが、昔を持ち上げ今を否定したりするのだ。

 

 よく言われる話だが昭和を生きた人が平成と昭和を比較して、好きな人に連絡するにも家電しかなかった、今はSNSで簡単にメッセージを送れる時代だなんて言ったりする。この話は昔に比べて便利になった、という話では終わらない。他にも子供の遊びなんてそうだ。昔は空き地で友達と駆け回ったものなのに、今の子は公園でもゲームをしている。などと言われる。これも勿論、娯楽の種類が増えたという話ではない。

 それから、表現規制が増えて娯楽がつまらなくなったなんて言われる。規制で出来なくなったことより技術の進歩で出来るようになったことのほうが本当は多いのに、だ。

 他にも平成と昭和と比較して、やれ平成は、昭和はという話は尽きることがない。これらの話に含まれているのは大抵、苦労をしていないとか趣がないとか理由を掲げた「昔はよかった」「今の子はかわいそう」ってやつだったりする。

 

 そういう言論が生まれる理由は想像できる。そう言う人たちにとって青春が昭和にあったのだろう。青春がいつかなんてそれぞれだけれど、やはり若い頃の経験というのは一際輝きがちでそれを青春と呼ぶことが多い。自身の楽しい青春時代が『正しい』ものだと今を比較して違う部分を見つけては、今が『正しくない』のではとある種心配しているのだろうと思う。でも本当は、その時代に青春を過ごしたから楽しかったのではなくて、楽しい青春がたまたまその時代にあっただけ。恋のときめきも、友達と過ごす楽しさも、青春のよろこびも悩みも輝きも、手段や形が変わっただけで本質が変わることはない。

 今を精一杯楽しんでいる人に、勝手な尺度で「かわいそう」だと判断するのは呪いみたいだなって思う。

 

 私は平成が好きだ。だって楽しい思い出が平成につまっているから。

 

 

 

 前置きが長くなってしまったが何が言いたいのか伝わっただろうか。

 これは私がイナズマイレブンGOを大好きだという話だ。

 

 

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イナズマイレブンGOのめちゃかわ水色まりもこと倉間典人くん

 

 

 円堂守を主人公としたイナズマイレブンは大変な人気を博していた。シリーズの人気絶頂の中、惜しまれつつも世代交代して10年後が舞台の、松風天馬を主人公としたイナズマイレブンGOは始まった。

 決して人気がなかった訳ではないと思う。でも先代が偉大すぎた。GOは散々無印世代と比較され、否定されることが少なくなかった。

 

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偉大な無印世代の選手が大好きな倉間典人くん

 

 

 私がイナズマイレブンにはまったのは円堂世代世界編の頃だ。もちろん円堂世代のことは大好きだし、シリーズで一番好きなキャラクターを聞かれたら一拍置いた後風丸一郎太だと答える。けれど作品としてのめりこんだのはGOだった。

  

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一拍の間に脳裏によぎる倉間典人くん

 

 

 時期も良かった。平成頭生まれの私は、GOがシリーズ展開していた頃大学生だった。下の世代よりお金があるし、上の世代より時間があったから作品を追い易かった。

 ゲームとしては、シリーズが新しい分GOの方がグラフィックも操作性もボリューム感も良い。ストーリーに関しては、シリーズどちらにも粗は多かったと思う。ただ良いところはどちらに対しても沢山挙げられるけれど、個人的な文句はGOに対しての方が多く出てくる。キャラクターの魅力はどちらも高いと思うけれど、GOはどうしたって二番煎じ感は否めなかった。

 

 それでも私がイナズマイレブンGOを一等好きな理由は平成感なのかもしれない、と思う。

 

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商品展開でハブられがちだった倉間典人くん

 

 

 イナズマイレブンシリーズはそもそも平成の作品だけれど、GOが始まった頃によく『円堂世代は昭和、天馬世代は平成』なんて言われていた。始めこそ日野社長が言い出したただの差異でしかなかったと思うけれど、結局皆が大好きだったイナズマイレブンとGOとの違いとして否定的に使われることが多かった。

 

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携帯電話を使いこなす平成っ子の倉間典人くん

 

 

 イナズマイレブンは『熱血』『根性』『特訓』なんて言葉が象徴的な作品で、主人公である円堂はタイヤを背負って泥だらけになって特訓していた。ストーリーも弱小サッカー部が努力して全国を目指すというスタートだ。そんなスポ根的な作品姿勢は確かにそのジャンルが隆盛した昭和を思い起こさせる。

 一方GO世代になると雰囲気が変わる。主人公の天馬は努力家だが、泥臭さは感じない。所属チームは初めから強豪校で(円堂世代がチームを強くした結果だけれど)、チームメイトにはどこか冷めた雰囲気がある。ストーリーは、円堂たちの活躍によりサッカー人気が高まった結果サッカーの実力、勝ち負けが全てという価値観が生まれてしまい、それにより生まれる不平等を正す組織が発足、しまいにはサッカーの勝利を平等に分配、すなわち八百長で試合結果を管理すると言う世界になってしまった、というところから始まる。あらすじの複雑さが違いすぎる。本当に円堂世代と同じ作品か?

 

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強豪雷門中学校で一軍ストライカーの倉間典人くん


 

 

 天馬のチームメイトが冷めた雰囲気なのも、そんな世界に半ばあきらめの気持ちがあるからだ。彼らはまだ中学生にして社会の不条理さに直面し受け入れてしまっている。大人の言いなり、空気を読む、平成の子どもたちがよく言われた言葉だ。

 作品の雰囲気は円堂世代に比べて確かに暗くシリアスだった。経済成長が低迷し全体的に暗い雰囲気だったと言われる平成を思い起こさせないこともない。

 

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シリーズ当初、チームの雰囲気を悪くしていた筆頭の倉間典人くん

 

 

 けれど天馬たちは円堂たちより努力しなかったわけじゃないし、根性がないわけでもない。口が悪い子もいた、お調子者で一見不真面目な子もいた、後ろ向きなことばかり言う子もいた、頭に血が上りやすい子もいたし、頭の固い子もいた。でも心優しい良い子たちばかりだった。なにより彼らはサッカーが大好きだった。楽しいばかりでなかったその時代のサッカーを、それでも諦めることはしなかった。彼らは彼らなりに懸命に青春時代を生きていた。私はそんなGOの雷門の皆が大好きだったのだ。←ちなみに私はこの文を打った瞬間涙が出た。

 

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サッカーがなにより大好きな倉間典人くんと仲間たち

 

 

 そんな彼らに、円堂たちと同じ世代に生まれて同じようにサッカーしたかったか聞いたら「円堂さんとサッカー!」なんてきっと一瞬目を輝かせて、でも結局首を振って「円堂さんに監督してもらえること」「皆に会えたこと」「化身がいること」「時空を旅したこと」「宇宙でサッカーしたこと」なんて色々挙げて彼らの青春を誇のだろうなって思う。「ワンダバに言えばいつだって中学生の円堂さんたちとサッカーできるし」なんて笑ったりして。時空を超えたことも、宇宙へ行ったことも彼らがあの時代に生まれたからこそできたキラキラとした青春なのだ。私はサッカー作品の話をしています。

 

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倉間典人くんと同じ声帯を持つ過去人

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倉間典人くんと同じ声帯を持つ宇宙人



 

 イナズマイレブンはすごい作品だった。円堂守は最高の主人公だった。けれどそれはイナズマイレブン無印とは違ったイナズマイレブンGO円堂守とは違った松風天馬のすばらしさを否定するものじゃないはずだ。それなのに天馬は円堂と比較され、シリーズファンによる否定の言葉を見たことは一度や二度じゃない。

 

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天馬を誰より強く否定した倉間典人くん

 

 

 円堂守は眩しく強い人だった。だから彼についていけなかった人たちが一度折れてしまったし、円堂がその力で見事救い出すことも出来た。

 松風天馬は温かく傍にいてくれる人だった、天馬のそばにいた人たちは心折れることはなかったけれど、天馬自身が落ち込むことはよくあって、その度皆が手を差し伸べた。

 似ていると言われた2人にも確かに違いはあるけれど、そこに優劣はない。イナズマイレブンや円堂のすごさを知る人たちは、そのものさしでGOや天馬をはかってしまいがちかもしれないけれど、それはもったいないことだと思う。私はイナズマイレブンGOという作品を背負ってくれるキャラクターが松風天馬で本当に良かったと思うし彼でなければならなかったと思っている。

 

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当初は対立していた天馬を誰より認めた倉間典人くん



 

 円堂世代のイナズマイレブンが好きだった。はまってすぐに終わってしまうのが寂しかったし、GOになるのに抵抗がなかったわけじゃない。GOのあらすじをみて本当にイナズマイレブンか?イナズマイレブンの良いところ無くなってないか?と思わなかったわけじゃない。けれど実際に見てみて、円堂たちとは違う天馬たちの唯一無二の青春を目の当たりにして、そこに貴賤はないじゃないかと思った途端私はGOに夢中になっていた。

 

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GO放送前は眼中になかった倉間典人くん

 

 

 私は平成とともに成長して、昭和を羨んだことがないわけじゃない。不景気だのゆとりだのかわいそうだの蔑まれて誇りを持てなんて難しい話だった。

 でも私は平成に生まれて良かった。大学生のときにイナズマイレブンGOがいてくれて良かった。バイト代をイナズマイレブンGOにつぎこんでも生活できる実家暮らしのときにイナズマイレブンGOがいてくれてよかった。課題のために徹夜をしなきゃいけないときにイナズマイレブンGOがいてくれてよかった。リーマンショック後の氷河期を引き摺った頃の就活にイナズマイレブンGOがいてくれてよかった。

 

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PCの壁紙にしていた倉間典人くん

 

 

 ちなみにそこに気が付かせてくれたのはイナズマイレブンGOアニメの初代ED『やっぱ青春』の力も大きい。形は違えど、GOには青春がつまっていることをしっかり歌ってくれてるめちゃめちゃ神曲だから世界中聴いてほしい。さぁや~~~~~シャニマス出演おめでと~~~~~~!!!!!!

 

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青春の一ページと倉間典人くん

 

 

 

 本当は昭和よりずっと前から新しいものや若い文化は馬鹿にされ否定される運命にある。なんなら、今や平成初期世代が平成後期の今を否定することもざらだ。逆に若い者が昔のものを古いダサいと否定することもある。というかそれは世代だけの話じゃなくて性別や趣味嗜好なんかの違いでもそうだけれど、自分が理解できないものや自分の楽しさと違うものを勝手な『正しさの尺度』で判断して、それが全てだと思ってしまうのはとても危険な事のように思う。意見があるのは仕方がない。意見が違うのは当然だ。けれど誰かの輝かしい青春、『好き』や『楽しい』を否定するのは決して正しい事ではない。

 

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誰が何と言おうと宇宙一かわいい倉間典人くん

 

 

 イナズマイレブンは今、円堂世代のパラレルワールドを舞台とした新シリーズの展開が始まっている。私自身以前ほど熱心になって観ているわけではないものの、相変わらず私はイナズマイレブンが好きだし、イナアレのためにPS4も買った。買ったんですよ、LEVEL5。いつまでも待ってますからね。

 新シリーズは過去大流行したイナズマイレブンに比べれば盛り上がりに欠けるかもしれないけれど、明日人たちの活躍を夢中で追いかけている人は確かに居る。もちろん作品として判断をすることは自由だ。けれどその判断は絶対的なものであるべきで、過去との違いを楽しむのは有意義だけれど、過去にできた尺度で判断して否定ばかりし始めたら過去をも貶める行為になってしまう。これは自戒を込めてだが、今を肯定することは過去を否定することじゃないし、今を否定することは過去を肯定することじゃない。違うことは悪い事じゃない。

 

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新シリーズの時代では幼稚園児の倉間典人くん

 

 

 

 

 平成は、そしてイナズマイレブンGOは誰になんと言われようと私にとって最高の青春時代だった。

 そして令和に過ごす誰かの青春が、新シリーズのキャラクターたちの青春が輝かしいものであることを願っているし、確信もしている。

 

 

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まぁイナズマイレブンがある限り一生青春なんですけどね

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GOシリーズの展開も待ってるよ~~~~

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ていうかなにその私服~~~~かわい~~~~~~~

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ちょっとビビりなとこもかわいいねぇ~~~~~

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小っちゃいのに器がでけーのズリーよな!

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なんで必殺技で蛇出す癖に蛇にびびるん?

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美形キャラと並んでも負けねぇかわいさ~~~~~





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おわり